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2007年8月27日号
IT・デジタル関係をテーマにした「大前研一のIT時評」が夕刊フジで毎月第四金曜日に掲載されております。
 
テーマ1:楽天、損してもキャッシュ
 楽天は先ごろ、持ち分法適用関連会社で中国の旅行サイト運営会社「シートリップ・ドットコム」の保有株全株を売却すると発表した。売却額は未定だが、売却で得た資金は事業資金や借入金の返済などに充てる見通しだ。
 

楽天は以前、「旅の窓口」という旅行サイトを買って「楽天トラベル」とし、国内では非常にうまくいっています。中国でも同様の展開をしようと、この「シートリップ・ドットコム」を鳴り物入りで買ったのですが、どうやら勢力を中国まで広げる力はなかったようです。

現在の楽天は、かなりキャッシュが不足していると思われますね。そこで、このサイトを売ってキャッシュに換えようというわけです。簿価は120億円ですが、損してでもキャッシュをとりたいのでしょう。

 
 
テーマ2:台湾急成長の秘密は中国にあり
 台湾の電機メーカーによるデジタル家電や携帯電話機の生産受託が加速してきた。得意とするパソコン生産技術を応用し、アップルのiPhoneや液晶テレビ、家庭用ゲーム機などに品目を拡大する。
 

台湾が強いのは、中国をうまく使っているからです。彼らは北京語が通じるので、中国で巨大な会社を経営できます。中国本土には大きな企業を経営できる経営者は少ないですが、台湾にはいくらでも人材がいます。そうした台湾企業が中国に日本の資材と部品を持ち込んで製品を作り、それをアメリカに売っているのです。

いま、台湾で一番大きなEMS(電子機器の受託専門企業)はフォックスコーン社で、iPodやiPhone、PSPなどを作っています。この会社は売り上げが3兆円を超えており、三洋電機やシャープも上回っています。

この会社、5年前の売り上げは5000億円程度でした。それが世界中の企業の製品を作ることで急成長し、3兆円まで伸びたのです。いまや同社のEMS事業は、売り上げの69%を占めています。

実は、中国からアメリカに製品を輸出している企業のトップは、このフォックスコーン社です。つまり、中国からの輸出と見えながら、実態は台湾の会社による輸出なのです。ちなみに、中国からアメリカへの輸出企業トップ10の中には台湾の企業が3社入っています。

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