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2007年10月25日号
IT・デジタル関係をテーマにした「大前研一のIT時評」が夕刊フジで毎月第四金曜日に掲載されております。
 
テーマ1:「Wii」ネット戦略強化 PS3ようやく値下げもすでに惨敗状態
 任天堂は家庭用ゲーム機「Wii」のネット戦略を強化する。NTT東西と協力してサービス窓口を開設するほか、来春には新作ソフトのネット配信も開始する。一方、ソニー・コンピュータエンタテインメントは「プレイステーション(PS)3」の廉価版(3万9980円)を11月から販売する。
 

Wiiはネット対応が非常によくできていて、今でも古いソフトなどをダウンロードできますが、これを新作にも適用するという戦略です。

PS3は、高いと言われていた価格をようやく下げますが、すでに販売台数ではXbox360にも大きく水をあけられ、惨敗状態です。私は昨年から惨敗を予測していましたが、その原因は開発が難しくソフトメーカーが手を出そうとしないためです。価格を下げて解決できる問題ではないと思いますね。

 
 
テーマ2:ネットテレビで海外の番組視聴 地デジの普及にも大きな影響
 総務省はネットテレビで海外の番組も視聴できるようにする方針を固めた。
 

これが実現したときに、果たしてNHKは存在できるのでしょうか。ネットで視聴する際は、「総合テレビ」などの概念は取り払われ、ニュースやドラマなど、番組が個々に切り売りされることになります。幕の内弁当みたいなものをそのまま受けいれることはなくなるでしょう。

米国には1万5000ぐらいの番組を個々に視聴できる「ジュースト」や、自分の好きなときに視聴できる「ティーボ」などのサービスがあります。場所も時間もシフトできるようになるのです。もちろんCMを飛ばすこともできます。

それらのサービスと日本の番組が同じネットテレビで視聴できるとなると、視聴者は好きな番組を自分でチョイスして見るようになります。そのときに果たして放送局は成り立つのでしょうか。県別に放送免許を与えている今の制度や、地デジの普及にも大きな影響があるでしょう。総務省はいったい何を考えているんでしょうね。

 
 
テーマ3:携帯GPSと連動で広告配信 “ポラロイド現象”に?
 KDDIと経路探索大手ナビタイムジャパンなど3社は携帯電話のGPSと連動した広告配信サービスを開始する。
 

これはGPSで検索した地図周辺に関連する広告を掲載するというサービスです。一見便利そうですが、うざったいと感じる人もいるでしょう。最初は受けるかもしれません。これを“ポラロイド現象”といいます。ポラロイドカメラを買った最初の1週間は楽しくて写真を撮りますが、すぐに飽きて使わなくなってしまいます。

たとえば、今いる場所で「おいしいお店」が検索できるのなら便利ですが、単に広告代を払った店しか表示されないのであれば、うるさいなという気がしますね。

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