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2007年12月28日号
IT・デジタル関係をテーマにした「大前研一のIT時評」が夕刊フジで毎月第四金曜日に掲載されております。
 
テーマ1:携帯電話でネットは地デジ放送の破綻!?
中高生が携帯電話からインターネットを利用する時間は1日に1時間10分―2時間にのぼることが内閣府の調査で明らかになった。
 

私はこの結果から2つのことを考えるべきだと思います。

ひとつは、日本が国策として進めている地上デジタル放送が破綻するだろうということです。

大画面テレビでハイビジョン放送を見るよりも、携帯電話やパソコンの小さな画面でYouTube(ユーチューブ)などの動画を見る人のほうが多くなると予測できます。

すでにアメリカではその傾向が強く、テレビ番組やニュースなどもパソコンで見る人が増えています。テレビはまったく見ない(使わない)という人も激増しています。

日本の中高生たちも同様で、大画面テレビなどは見ずに携帯でメールしながら動画を見る人が多くなると思います。

もうひとつのテーマは、携帯電話でネットの世界にやってくる彼らに、どうアクセスし、モチベーションを高めていくか、ということです。

携帯電話を使った双方向コミュニケーションは今後ますます重要になってきます。モバゲータウンなどのサービスで多くの若者たちの支持を集めているディー・エヌ・エーが注目されているのも、そのためです。

いま、携帯電話を使っている中高生たちが、10年後はお父さんお母さんになるのです。空恐ろしいと考える人もいるでしょうが、それが現実なのです。

 
 
テーマ2:携帯メールで贈り物「モバGIFT」
ディー・エヌ・エーは伊勢丹と連携し、携帯メールで贈答品を送るサービス「モバGIFT」を期間限定で開始した。贈り主が贈答商品名を入れたメールを送り、受け取った相手が自分の住所を入力することで商品が届く仕組み。
 

私もこのような贈答方法を以前考えたことがあるのですが、いろいろと応用が利きますね。

最近は、受け取る側がカタログの中から好きなものを選べるギフト方式が広まっていますが、贈る側も贈り物を好きに選べるような総合サイトと決済システムを作れば、なにも伊勢丹1社と組む必要もなく、その人オリジナルのギフトを贈ることができます。自分が気に入ったレストランに友人を招待する、といったギフトも可能になるわけです。

 
 
テーマ3:ヤフーとイーベイ ネットオークション相互乗り入れ
日本のヤフーと米イーベイは先ごろ、オークションの相互乗り入れで業務提携すると発表した。来年中には双方のオークションに出品された品物が相手方のサイトに自動表示される態勢を完備する。
 

ヤフーの井上雅博社長は気持ちいいでしょうね。イーベイは世界最大のオークションサイトですが、日本ではヤフーに惨敗して撤退しました。ところが、「昨日の敵は今日の友」というわけで、こういう形で手を握ることにこぎ着けたのですから。

ただ、やはりCtoCのマーケットなので、あまり大きな事業にはならないと思います。また、日米双方のサイト掲載は自動翻訳で対応するとのことですが、これはトラブルの種になりそうです。言葉の細かいニュアンスが伝わらない恐れがあるからです。

イーベイは落札者のクレジットカード番号が出品者に漏れないように、「ペイパル」という仲介業者を使っています。ヤフーも同様に仲介の仕組みを整えていますが、これらをどう統合するのか、さらに落札者の評価を日米でどう調整するのか、といった課題も出てくるでしょう。

 
 
テーマ4:米グーグル 無線電波獲得へ
米グーグルは、無線通信に使う周波数の獲得に乗り出すと発表した。
 

グーグルは携帯電話分野への参入を狙っています。携帯電話用のOSやアプリケーションをセットにしたプラットホーム「アンドロイド」を先ごろ発表しましたが、電波も獲得して無料の携帯電話サービスを行おうと考えているのでしょう。当然、その収益は広告です。これは既存の携帯電話会社には脅威でしょう。

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