| 2008年4月25日号 |
| IT・デジタル関係をテーマにした「大前研一のIT時評」が夕刊フジで毎月第四金曜日に掲載されております。
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テーマ1:グーグル―オペレーションに強い人材必要
グーグルの株価が低迷している。米ビジネスウイーク誌は「検索広告という収益モデルは頭打ちなのではないか」と報じている。 |
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グーグルは1998年に生まれており、ちょうど10年目です。まだ安定を志向するには早すぎますね。
こうした低迷の時期は、マイクロソフトもアップルも、ヤフーも経験しています。アップルの場合、低迷の時期には創業者のスティーブ・ジョブズが追放されており、彼が戻った後に復活を遂げました。
私は、今のグーグルにはあまりにもたくさんのアイデアがありすぎるのではないかと思います。それによって焦点が絞れず、あぶはち取らずになっているのではないでしょうか。
たとえば、「グーグル・チェックアウト」というネット決済サービスは、私も以前から注目しているのですが、発表後しばらく経っているにもかかわらず、目立った進展がありません。ひとつひとつのアイデアをきちんと掘り下げて定着させる人―つまり開発ではなく、オペレーションに強い人たちがグーグルには必要なのかもしれません。
では、そうした人材をどこから手に入れるか?私はやはりヤフーのような会社から手に入れるのがよいと思います。マイクロソフトがヤフーを買収する前に、オペレーションに強い人材を引き抜くのがいいでしょう。
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テーマ2:ソフトバンク―11カ月連続で純増数1位
ソフトバンクモバイルは3月の契約純増数で54万3900件を達成し、11カ月連続で純増数1位を維持した。一方、NTTドコモは初めてシェア50%を割り込んだ。 |
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ソフトバンクは調子がいいようですが、これまでの月間平均純増数は20万件ぐらいです。ドコモがシェア50%を割ったと言いますが、総加入者数を見ると、実は減ってはいません。au(KDDI)も順調に数を増やしています。
問題は、ソフトバンクがホワイトプランなどの今の価格で本当に利益をあげているのか、です。それは、この3月の決算を見なければ何とも言えません。ソフトバンクはこれまで、「他社が新料金を発表したら24時間以内に追随する」としていましたが、先ごろ、その看板をおろしました。加入者のボリュームは増えましたが、もしかすると収益的には苦しいのかもしれません。 |
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テーマ3:インドの携帯電話加入累計世界2位に
インドの携帯電話加入累計が中国に次ぐ世界第2位に浮上したもようだ。今年3月末の加入累計は2億6000万件で、1カ月に800万―900万件の勢いで加入者が増えているという。 |
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日本は全部足しても人口分の1億弱しか契約数はありませんが、インドはこれを約1年で達成し、アメリカを抜いて2位になりました。ちなみに、1位の中国は4億件を超えています。
日本の場合、ソフトバンクモバイルの純増数が1位といっても、たかだか月に50万―60万件の増加です。それに対して、中国は月に500万件増えており、インドにいたっては900万件です。勘弁してほしいなというくらいの規模感の差が出てきましたね。 |
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テーマ4:ヤマダ電機―都心出店で「競争力」は?
ヤマダ電機が2010年にも東京・新宿駅西口のヨドバシカメラ本店近くに1万平方メートル規模の大型店を出店する計画であることが明らかになった。 |
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300―400億円かけてヨドバシの近くに大型店を建てるということですね。1万平方メートルという売り場面積も、そうとう大きいものです。
ヤマダ電機は家電量販店2位のエディオンの2倍の売り上げがあり、文字通り日本最強です。長野の蓼科にある私の山荘近くにも先日、巨大なヤマダ電機が突然できて驚きました。中をのぞくと、秋葉原より安く、さらに驚きました。この出店で周辺の電気店は一夜にして壊滅状態です。
ただ、これまでのヤマダ電機は地方に出店することで店舗代をあまりかけずに規模の経済で競争力につなげていました。これが都心に出店した時、今までのような競争力を維持できるのかどうか。郊外店の利益で都心店を援助できるかどうかが見ものですね。 |
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テーマ5:NHK―放送翌日ネット配信は時代遅れ
NHKが12月から始めるインターネット経由での番組配信の詳細が明らかになった。ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコムや家電各社が出資するネット配信会社と提携し、人気ドラマなど約20番組を放送の翌日から最大10日間有料配信するほか、過去の人気番組1000作品も提供する。放送番組の本格的配信は国内初。 |
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この記事を見て、私はNHKの担当者の頭の中を解剖したくなりました。なぜ、「翌日から」なのでしょうか。初日はテレビを見てほしいということかもしれませんが、放送はいずれ通信に飲み込まれる運命なのに、まだ“成仏”していないなあという感じですね。
有料配信するのなら、テレビ放送した瞬間に、テレビのない人や世界中の人に見てもらえばいいのです。そのへんの感覚が、まだネット時代に追いついていないと思いますね。
人気の20番組だけを配信するというのも、よけいなお世話です。ロングテールが生かせるネットの世界では、人気ではない番組も見られるからこそ良いわけで、それを理解できないのがNHKの限界でしょう。要するに、ネットのことがまったく分かっていない、ということです。 |