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2008年9月26日号
IT・デジタル関係をテーマにした「大前研一のIT時評」が夕刊フジで毎月第四金曜日に掲載されております。
 
テーマ1:ビジオ日本では苦戦と予想
新興テレビメーカーの米ビジオ社が日本市場に参入した。第1弾として、42型の液晶テレビを国内メーカーの半額以下に抑えた9万8000円で売り出した。ビジオは低価格を武器に米国で急成長し、薄型テレビの市場拡大を先導している。
 

ビジオはアメリカの会社ですが、台湾生まれのウィリアム・ワンという人が創業した会社です。台湾のEMS(受託生産メーカー)をうまく使い、アメリカで低価格品を販売。一昨年から米市場に本格参入し、あっという間にサムスン、シャープを抜いてアメリカで1位になりました。同じサイズであれば、どのメーカーの製品よりも安いのが特徴です。

これが日本に入ってくるわけですが、実はビジオはアメリカで安売りをしすぎてガタがきているとも言われます。したがって私は、日本に入ってきても、あまりインパクトはないし、十分なサービスができるかという問題などもあるため、アメリカで起こしたような大々的な成功は難しいと思います。

 
 
テーマ2:「総合」よりもスペシャリスト
任天堂の2009年3月期の純利益は前期比59%増の4100億円となる見通しだ。ニンテンドーDSやWiiの海外での売り上げが好調で、売上高も初の2兆円を超える見通し。
 

任天堂はDSやWiiなどのプラットホームを提供する企業ですが、プラットホーム事業だけでこんな好調が長く続くとは思えません。

しかし、いまはDSもWiiも非常に調子がよく、売れ続けています。

ほぼ単一の事業で、しかもゲームで、売上高が2兆円を超え、4000億円以上の純利益を出すというのですから、すごいのひと言です。時価総額でも日本のトップ5に入るようになりました。一芸に秀でて世界を制す――これは他のメーカーにも見習ってもらいたいですね。

私は十数年前から、総合電機や総合商社など「総合」の字がつく企業はいずれダメになると警告していますが、任天堂のようなスペシャリストを見れば、そのことがよくわかるでしょう。アメリカのデジタル分野のゴジラ企業も例外なくシングル・プロダクトです。

ただ、任天堂が今後も好調を維持するためには、次のプラットホームを見つけるか、デジタルテレビの付属品としてリモコンに代わるくらいの役割に食い込んでいくことが必要です。

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