この問題は今後、米中関係にかなりの影響があると思います。
今回の件を受けて、瞬間的にはYouTubeやダライ・ラマ、天安門事件の写真が見られるようになっています。ただし、いつこれが封鎖されるかは分かりません。
グーグルも今回は中国政府の言いなりにはならない姿勢のようです。そもそも中国政府には、国内のハッカーをサイバー攻撃のために総動員できるというすごさがあります。“準官製アタッカーグループ”を持っている国なのです。
これまでグーグルは、中国政府の言いなりになって技術的に協力し、政府が禁止したサイトは見せないという措置を講じていました。しかし今後は、それをやらないと宣言しました。
中国ほどの成長市場から退場するのはグーグルにとっても痛手だろうとは思いますが、中国にはバイドゥ(百度)などグーグルよりシェアの高い検索サイトがありますので、グーグルが中国市場から抜けることによる影響はあまりないと思います。
将来、グーグルが中国と仲直りすることがあるかもしれません。しかし、そのときには中国政府自体も今とはかなり違ってオープンになっていることでしょう。かつてウォールストリートジャーナルとシンガポール政府がけんかしたように、ある時点で政府指導者が変わり、企業の経営者も変わっていれば、そこから先は何事もなかったかのように事業は進むものです。
もちろん、そのときは一からシェアをとっていかねばならないという大変さはありますが、今のような中途半端なやり方で続けるぐらいなら、一度中国市場からは撤退したほうがいいのではないかと私は思います。
いずれにしても、中国はグーグルの意見には耳を貸さないでしょう。中国の当局者が一番恐れているのは自国民の暴動・反乱です。グーグルを放し飼いにしておくと、その反乱を助長することになりますので、政府がグーグルに歩み寄ることはありません。グーグルは単に中国から出ていくだけ、ということです。
ただ私は、このことにより世界的にはグーグルの支援者が増えて、むしろ良い結果を招くと思います。 |