BBT Learning Market

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番組概要

財務・会計

戦略財務会計

経営者やマネジャーのみならず、ビジネスパーソンにとって、財務会計に関する知識は必要不可欠なものです。しかし、経営に必要であるとわかっていても、苦手にしている方は多いのではないでしょうか。

この講座では、財務会計について、歴史的な展開から始まり、財務会計の概要、財務データの読み方、財務分析の方法、企業評価の方法、国際会計基準の内容と米国会計基準との違い、そして企業価値上昇への方策まで、ビジネスに必要な財務会計の基礎を全8回にわたって解説します。

番組詳細

第1回:アカウンティングとは何か

会計には何百年という歴史があります。大航海時代の船乗りと商人たちの作った会計ルールが今、企業活動のグローバル化に伴い、国際化・統一化を進めています。第1回の今回は、会計の歴史と現在の状況を簡単に学習します。また、次回以降に詳細を学習する財務分析のステップについて、それぞれのステップの概要をご紹介します。最後に、財務データの基礎である貸借対照表と損益計算書についての概要を学びます。

第2回:財務データを読む(1)

財務データの基礎として、貸借対照表(B/S)の読み方を学習します。貸借対照表とは、一定時点での会社の「ストック」の姿を、数字を使って表したものです。具体的には資金の運用形態と資金の調達源泉から構成されており、資金の運用形態は「資産」、資金の調達源泉は「負債」と「資本(純資産)」という形で表されます。今回は、日清食品の実際の貸借対照表を参考にしながら、「資産」、「負債」、「資本(純資産)」のそれぞれの意味や具体的な勘定科目の内容について、重要なポイントを絞って学びます。

第3回:財務データを読む(2)

財務データの基礎として、損益計算書(P/L)およびキャッシュフロー計算書の読み方を学習します。損益計算書とは、企業の一定期間における「フロー」の姿を、数字を使って表したものです。基本的な枠組みは「収益-費用=利益」の形になっており、売上高から5段階を経て当期純利益が表示されます。キャッシュフロー計算書は、貸借対照表、損益計算書では把握しきれない資金の流動性を表すためのものです。営業活動からのキャッシュフロー、投資活動からのキャッシュフロー、財務活動からのキャッシュフローに分かれており、それぞれの現金の流れを把握します。今回も日清食品のデータを例にとりながら、それぞれの財務諸表の具体的な項目の内容や意味について学習します。

第4回:会計方針から分析する

会計のルールに選択の余地があるものについては、選択適用することが認められています。その際に何を選択するかが「会計方針」です。貸借対照表や損益計算書の数値は、それぞれの企業が採用した「会計方針」に基づいて計算された結果です。したがって、正確な財務状況を知るためには、会社が採用した会計方針をチェックすることが必要となります。今回は、選択適用が認められている会計ルールの中から、(1)棚卸資産の評価方法、(2)減価償却の方法、(3)退職給付会計、(4)税効果会計を挙げ、その一つ一つについて、財務諸表を見る市の重要な視点について解説します。

第5回:財務比率で分析する

会社の状況を詳しく正確に把握し、経営の実態を分析するためには、利益、売上高、総資産といった数字を使い、それぞれの数字を比較分析することが有効になります。今回は、(1)総合力、(2)収益性、(3)効率性、(4)安全性、(5)成長性といった観点から財務状況を把握するための代表的な財務比率をご紹介し、それぞれの比率の持つ意味や分析のポイントについて詳しく学習します。

第6回:財務分析と企業評価/連結とは何か

今回は、財務分析のポイントとして安全度に焦点をあてて見ていきます。安全度を見るためには、(1)貸借対照表の構成、(2)株主資本構成率、(3)インタレストカバレッジを見ることが必要です。また、企業評価の方法として、時価純資産法、DCF法がありますが、今回は、市場価額法、類似会社比準法について詳細に解説します。さらに、子会社に適用される連結財務諸表(連結貸借対照表、連結損益計算書)のルールについて解説し、関連会社に適用される持分法との違いについて学習します。

第7回:国際会計基準と米国会計基準

企業活動のグローバル化、投資家のグローバルな投資活動の増加等により、国際会計基準導入による会計ルールの統一化、調和化が急がれています。2005年までには、主要国の殆どが国際会計基準の導入を終える予定となっています。今回の講義では、国際会計基準の内容として、「時価主義」、「連結決算重視」に焦点をあてて学習していきます。
次に、国際会計基準に大きな影響を与える米国の会計基準のポイントについて解説します。その中でも特徴的な棚卸資産の評価方法と減価償却の方法について学びます。

第8回:企業価値上昇への方策

第1回から第7回までで会計と財務諸表の見方・考え方を一通り学びました。最終回の今回は、企業価値を上昇させるための方策について、それぞれの財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)の視点から考えていきます。最後に、全体のまとめとして各回の主要な論点やポイントと財務分析のステップを再確認します。
受講料(税込)
22,000

講義時間:8時間

受講期間:12か月

講師紹介

西山 茂

にしやま しげる

早稲田大学 経営専門職大学院 教授
株式会社西山アソシエイツ代表。公認会計士。早稲田大学政治経済学部卒業。米国ペンシルバニア大学経営大学院(ウォートンスクール)修士課程(MBA)修了。監査法人トーマツにて、大手日本企業、外資系企業の監査、株式公開コンサルティング、M&Aなどの業務を担当し、1995年独立。
早稲田大学アントレプレヌール研究会世話人。早稲田大学アジア太平洋研究センター非常勤講師兼務