BBT Learning Market

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番組概要

組織・人事

組織論再入門

組織論については、これまでに部分的には、書籍や大学などの講義で学んだことがあるという人は多いのではないでしょうか。しかし、組織を管理する立場になって初めて、本来の組織論の意味を理解できることもあります。本講座では、今、マネジャーやリーダーとして組織における問題に得面している方を対象として、全15回にわたって「組織と個人の新しい関わり方」や「複雑な現代に適応するための組織設計の方法論」等について体系的に解説してきます。
全15回の構成としては、第1回で本講座の概論と講義で取り上げる主要ポイントについて紹介し、第2回から第7回で「ミクロ組織論」について解説します。ミクロ組織論では、組織の中での人間に焦点を当て、個人と集団、リーダーシップについて解説します。第8回から第14回では、「マクロ組織論」に焦点を当て、組織デザインや組織メカニズム、組織間ネットワーク等について解説します。最終回の15回では、これまでにまとめを行います。本講座の学習を通じて、現代のマネジャーやリーダーが直面する組織問題に処方箋を提示します。

番組詳細

第1回:Ⅰ.組織論の体系と今後の進め方

はじめに、本講座の概要と対象分野について解説します。また、本シリーズでは、組織論をミクロ組織論とマクロ組織論に分けて考えていきます。ミクロ組織論では、「リーダーシップ」、「個人の行動」、「集団の行動」について解説します。マクロ組織論では、「組織構造」、「組織機能」、「組織ネットワーク」について解説します。

第2回:Ⅱ.ミクロ組織論(1)リーダーシップの新潮流 「リーダーは不要か?」

リーダーシップのあり方については、過去においても多様な議論がなされてきました。このため多くのリーダーたちは、組織論やリーダーシップ論そのものは理解しているものの、日進月歩で変化している現代の産業構造下では、既存のリーダー観を根底から転換させなければならない現実に直面しているのではないでしょうか。そこで今回と次回の2回にわたり、伝統的なリーダーシップ論を踏まえた上で、リーダーシップの新潮流について解説します。

第3回:Ⅱ.ミクロ組織論(1)リーダーシップの新潮流 「変革型リーダーと夢」

今回はリーダーシップ不要論からの進化した組織構造的リーダーシップ論について解説し、リーダーシップ論のこれまでの常識の呪縛から解き放ちます。組織構造的リーダーシップ論を充分に理解して頂くために、NHKの名物番組『プロジェクトX』の主人公たちを例に考えます。最後に、リーダーシップ論の統括として、チーム(組織)統合には、ビジョン創造型(V)・人間関係調整型(M)・計画管理型(P)の、3つの方法について解説します。

第4回:Ⅱ.ミクロ組織論(2)“やる気”の本質 「成果主義は機能したか?」

これまでの企業は組織をマスで捉えていれば一定の機能はしていたが、最近になって組織構成員個人に、どのように対応したらいいのか、メンバーの「やる気」(動機)を引き出すためにはどうしたらいいのかという、真剣な質問が多く寄せられています。今回は、個人の「やる気」を喚起するために成果主義と動機付けについて検証し、コミットメント(積極参加意欲)を引き出すマネジメントの手法を、ミクロ(個人・構成員)組織論の視点から解説します。

第5回:Ⅱ.ミクロ組織論(2)“やる気”の本質 「コミットメントは会社の役に立つのか?」

組織において構成員のコミットメントを引き出せば、やる気が起き、成果が出るのでしょうか。いくつかの研究では、残念ながら、かならずしもそうではないことが示唆されています。今回は、コミットメントの本質に迫り、構成員のやる気の根底には何があるのか。正しいコミット対象へ導くクリエイティブ・コミットメントの考え方を示しながら、実現に効果的なコミットメント・マーケティングの提案を、実例を示して解説します。

第6回:Ⅱ.ミクロ組織論(3)意思決定と集団の行動 「組織論的バカの壁」

人間は脳の構造上、多少の差はあれ誰しも“バカの壁”を持っており、集団になると、さらにそれは増幅する傾向が見られます。集団による行動、特に意思決定の際に起こしがちなミスとは、どのような心理的特性で発生するのでしょうか。人間の意思決定のプロセスを科学的なアプローチで検証し、集団による意思決定時に陥りやすい罠と、それを乗り超える実用的なテクニックを紹介します。

第7回:Ⅱ.ミクロ組織論(3)意思決定と集団の行動 「組織の中で伝えるということ」

風通しがいいなどの表現で、組織内のコミュニケーションを概念的にとらえているケースをよく耳にしますが、会社の基本理念など大事な要素を組織全体に確実に「伝える」ためには、コミュニケーションを科学的に明確に知っておくことが重要です。今回はミクロ組織論の最終回として、集団の意思決定には不可欠な「スキーマ」の共有メカニズムを、感情を支配している右脳の働きをベースとして平易に解説します。ここでは、データの伝達など左脳に訴えるだけでなく、人間の右脳がつかさどっている感情まで配慮してコミュニケーション構築を進めることにより、組織での強固なスキーマが構築されることを学びます。

第8回:Ⅲ.マクロ組織論(1)組織構造論 「組織デザインの方法論」

今回からはマクロ組織論を現状の組織の状況をふまえて解説していきます。マクロ組織論では、組織構造、組織機能、組織ネットワーク等について考えていきます。今回は、組織構造論をベースとして、デザインの基本となる方法論と、デザインするにあたっての留意点について解説します。変革の時代において、あなたがデザインした組織は本当に自信作なのか。また、有機的に組織は機能しているのか。本講座を学習することにより再度、各自の組織を見直すヒントをご提供します。

第9回:Ⅲ.マクロ組織論(1)組織構造論 「組織構造のパターン」

組織構造の機能を考える基本は、職能の分化であり、「職能=なされるべき仕事」が組み合わされることで組織が成立する。構造的には、適正なSpan of Controlによる作業の水平的分業により組織が構成され、その中で作業スタッフの分化、サービススタッフの分化、管理スタッフの分化等がなされています。組織構造の代表的なパターンとして、職能制組織、事業部制組織、カンパニー制組織、マトリクス組織を例示して解説します。また、職能制、事業部制、カンパニー制、マトリクス組織のそれぞれのメリットとデメリットについて解説します。

第10回:Ⅲ.マクロ組織論(2)組織機能論 「組織における調整機能」

理想的な組織デザインがなされても、組織間での調整がスムーズにできないようでは意味がありません。今回は、組織化された各部門が果たすべき機能特性の理想的な調整メカニズムについて解説します。ここでの調整とは、もちろん組織を構成する複数の「人」の活動の調整を意味しますが、特によく問題になる、ラインとスタッフの調整手法について事例も加えて詳しく解説します。

第11回:Ⅲ.マクロ組織論(2)組織機能論 「組織機能の設計」

今回は、消費者ニーズの読みにくい現代において、組織機能を存分に発揮できる「コンセプトアウト型組織設計」と、「グローバル調整メカニズム」を中心に解説します。また、組織は役割機能だけでなく、調整機能も兼ね備えている必要があります。ここでは、ネスレ、ユニリーバ、ロイヤルダッチシェル、ホンダ・アメリカ等の実例を挙げて解説します。

第12回:Ⅲ.マクロ組織論(3)組織ネットワーク 「グループ経営」

今回から2回にわたりマクロ組織論の視点からグループ経営の最新事情を紹介し、これからの時代に求められる新しいグループ経営の組織構成について考えていきます。グループプレミアムを実現するには、それを構成する親会社、関連会社ともに明確な位置づけがなければなりません。成功するグループ経営の基本スタイルは、親会社とグループ企業相互の権限と所在(ミッション)、グループ企業の自由度を明らかにするところにあります。

第13回:Ⅲ.マクロ組織論(3)組織ネットワーク 「グループ経営 Part.2」

組織ネットワーク「グループ経営」論の2回目。今回は、理想的なグループ経営をさらに具体的に知っていただくため、家庭社会学・発達心理学における親子関係をモデルにグループ経営における親の存在の重要性について解説します。親に対する教訓5カ条も聞き逃せないポイントです。

第14回:Ⅲ.マクロ組織論(3)組織ネットワーク 「企業間ネットワーク」

今回は、最近おもしろい動きがある、資本関係のないまったく別会社・組織・個人のネットワーク構築について解説します。イタリアの包装機械メーカーグループ、町工場のベストプラクティス、過疎の温泉街のまちおこしなどを例にして、小さな個であっても有機的に連携すれば大きな力になる実例をご紹介します。

第15回:Ⅳ.総括 

最終回の今回は、これまでの14回を振り返り全体を通して組織論の体系を再確認して頂きます。また、組織の定義や組織を捉える6つの側面(リーダーシップ、個人の行動、集団の行動、組織構造、組織機能、組織ネットワーク)のそれぞれのポイントを復習します。今後は、ご自身の職場や所属する組織において、学習された内容を実践し、組織論の本質を習得して頂くことを期待しています。

その他講座

受講料(税込)
41,250

講義時間:15時間

受講期間:12ヶ月

講師紹介

野田 稔

のだ みのる

明治大学大学院 教授
1981年、野村総合研究所入社。同社にて組織人事分野を中心に多数のプロジェクトマネージャーを勤め、経営コンサルティング一部長を経て、現職。2013年に一般社団法人社会人材学舎を設立、日本のミドルの能力発揮支援に取り組む。
著書に『組織論再入門』(ダイヤモンド社)、『中堅崩壊』(ダイヤモンド社)、『二流を超一流に変える「心」の燃やし方』(フォレスト出版)など。