経営者によるアカウンタビリティすなわち外部に対する情報公開を目的として作成される財務会計と異なり、管理会計は、企業が掲げる目標との整合性を意識しながら、経営の意思決定に有用な情報を取り扱います。
本講座では、意思決定・戦略立案に必須の管理会計の分析手法に加え、戦略実行後に不可欠なプロセスである業績管理に役立つ計算手法やツールを解説します。
※この講座はPMP資格用講座ではない一般の講座です。PDUを獲得できる修了証を発行できませんのでご注意ください。
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番組概要
財務・会計
戦略管理会計
番組詳細
第1回:管理会計とは何か・短期的意思決定
第1回では、管理会計の利用目的や求められるデータの性質などを解説したうえで、“コストの種類と意味”と“短期的意思決定のための分析手法”について解説します。“コスト”というと、単に金額だけで捉えられ、どんなコストも同じものとして考えられがちですが、コストを管理するためには、その中身には種類と明確な性質の違いを知ることが大切です。講義では、短期的意思決定のための分析手法として「差額原価収益分析」を解説し、限界利益率を目安にした場合に採用すべき戦略の事例やフレームワークについても解説します。
第2回:損益分岐点分析・長期的意思決定(1)(フリーキャッシュフローとWACC)
第2回では、短期的意思決定の分析手法の一つである「損益分岐点分析」について解説した後、時間価値を踏まえた長期的意思決定のポイントとして“フリーキャッシュフロー”と“資本コスト”について解説します。講義では、損益分岐点分析について、限界利益率と損益分岐点との関係を解説したうえで、固定費を引き下げることの意味を考えます。長期的意思決定については、短期的意思決定と長期的意思決定の違いである金銭の時間価値を解説し、株式会社(特に上場企業)が持続的な経営を行う際に避けて通れない資本コストについて理解していただきます。
第3回:長期的意思決定(2)(NPV、IRR、回収期間法)
第3回では、長期的意思決定の具体的な手法として「NPV(Net Present Value)法」、「IRR(Internal Rate of Return)法」、「回収期間法」について解説します。講義では、「NPV法」、「IRR法」、「回収期間法」それぞれの特徴と活用方法を理解していただきます。時間価値を考慮した分析手法である「NPV法」と「IRR法」の関係、より現実的な意思決定を行うためのシナリオ分析についても解説します。
第4回:標準原価計算、直接原価計算、活動基準原価計算(ABC)
第4回では、適切な業績評価を行うための手法である「標準原価計算」、「直接原価計算」、「活動基準原価計算」について解説します。講義では、企業活動の結果として発生するコスト(原価)について、「標準原価計算」、「直接原価計算」、「活動基準原価計算」が、それぞれどのような発生プロセスの解明・改善に主眼を置いた計算手法であるのかを理解していただきます。
第5回:業績管理の仕組み
第5回では、会社の内部組織の位置付けと業績管理の仕組みについて解説したうえで、具体的な管理ツールである予算とBSC(Balanced Score Card)について解説します。講義では、会社の内部組織をどう位置付けるかによって変化する意思決定のパターンや、業務の効率化を図る観点で採用されることの多い「アウトソーシング」と「シェアードサービス」の本来的な目的について解説します。予算については、その本来的な意味・意義を解説したうえで、その運用上の注意事項を解説し、BSCについては、「社内ビジネスプロセス」、「顧客」、「学習と成長」といった非財務の視点をいかに「財務」の視点につなげていくのかを解説します。
第6回:企業価値の評価とそれを創造する仕組み
第6回では、第1回から第5回で解説してきた“意思決定のための管理会計”と“業績管理のための管理会計”という管理会計の2つの側面を統合し、企業価値・株主価値を高めるための方策について考えます。講義では、株主価値とは何かを知っていただくために代表的な評価方法について解説した後、DCF(Discount Cash Flow)法にもとづく株主価値の向上策を考えます。さらに、EVA(Economic Value Added)という最近の新しい株主価値の評価指標を取り上げ、EVAの向上策やEVAとBSCの関係について解説します。