BBT Learning Market

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番組概要

マーケティング

住みたい街、行きたい街~都市間競争時代を考える~

人は、人生の転機に住む街を変えたり、住む街を変えることで人生を新しくしていくこともできます。そして、誰もが、ファッションを選ぶときのように、収入だけでなく、自分の価値観、ライフスタイルに合った街に住むことが望まれます。住む人の価値観やライフスタイルに適応した街づくりや都市設計は、経済やビジネス環境の競争力を高める上でも重要です。そうした中で近年、都市の魅力に関する研究、出版が増えており、都市間競争に関して、注目が集まっています。そこで本番組では、それらの研究、出版の担当者、著者などを招いて、これからの日本の都市、郊外のあり方について考えます。

番組詳細

第1回:住みたい街調査

数年後には東京都も人口減少時代を迎える中、いかに街の魅力を訴え、人を呼び込んで人口維持を図るかが問われている。本シリーズでは、株式会社カルチャースタディーズ研究所代表取締役三浦展氏を講師に、雇用やにぎわい創出に成功している都市事例を紹介していく。第1回のゲストは、食を通じて地域住民間のつながり醸成に尽力している齊藤志野歩氏。氏は、杉並区内に住民が気軽に集まれるオープンな場所づくりを進めている。メンバーの自主運営を通じ、全員で改善を加えてることでコミュニティーも強化されると説く。

第2回:五感に訴える都市

行政が描く都市開発は、医療や介護施設、大規模商業店舗、下水道や公園など「箱物」の整備に重きが置かれ、真に住みよい都市づくりとは言えない。今回ゲストに招く島原万丈氏は、近代都市工学からは抜け落ちている人間らしさを備えた「Sensuous City(官能都市)」こそが魅力に満ちた街であると説く。住んで心地よい都市は、人々の「五感に訴える」要素を持っていることが重要で、都市との関係性の指標と、身体性の指標に分けて幾つかを挙げた。条件を満たすほど地域に寛容さも生まれ、都市生活への満足度が向上していく。

第3回:都市の性格の違いを考える

シリーズ3回目は、京都で不動産企画・仲介・管理を一括して引き受ける不動産プランナー岸本千佳氏をゲストに迎える。氏は、物件オーナーの要望を聞き、現場をつぶさに調査・分析する。例えば商店の場合は商圏人口などの統計数値も押さえた上、歴史背景や周辺エリアの特性もつかむ。行政情報があれば加味して展開計画を提案する。重視するのは、使用者側がの望を反映しやすいようにサポートすること。オーナー側と使用者側とのマッチングが進めば、物件収益も安定し、使い手の住環境に対する満足度も上がっていく。

第4回:外食産業から見た都心と郊外

シリーズ4回目は外食産業の視点から魅力的な街を探っていく。ゲストの株式会社ケイノーツの竹田クニ氏は、食の場に参加する人のタイプを11通りに分類、それぞれの街に集まる人に共通する行動特性を考察、それが街の特徴をかたちづくることも指摘した。団塊世代が若いファミリー層となって巻き起こした1970年代のファミリーレストランブームは既に去り、食への価値観は大きく変化している。21世紀に入った日本では単身世帯が最多を占め、「一人外食」やコンビニ経由の中食など、食事シーンの多様化進行も見逃せない。

第5回:母になるなら、流山市。

ゲスト:井崎義治氏(流山市長)
受講料(税込)
13,750

講義時間:5時間

受講期間:12ヶ月

講師紹介

三浦 展

みうら あつし

社会デザイン研究者
1958年生まれ。 82年 一橋大学社会学部卒業。(株)パルコ入社。マーケティング情報誌『アクロス』編集室勤務。86年 同誌編集長。 90年、三菱総合研究所入社。

99年 「カルチャースタディーズ研究所」設立。 消費社会、家族、若者、階層、都市などの研究を踏まえ、新しい時代を予測し、社会デザインを提案している。

著書に、80万部のベストセラー『下流社会』のほか、『第四の消費 つながりを生み出す社会』『データでわかる2030年の日本』『日本人はこれから何を買うのか?』『東京は郊外から消えていく!』『「家族」と「幸福」の戦後史』『ファスト風土化する日本』『東京高級住宅地探訪』など多数。