BBT Learning Market

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番組概要

マネジメント、組織・人事

戦略的HRM

企業にとって最も重要な「人的資源」が、最大限に力を発揮できるしくみをどう構築するべきか、に焦点をあてます。現代のHRM(Human Resource Management)とは人事の専門家だけの話題にはとどまりません。企業の戦略に基づき、また戦略をリードしていく形で、採用、教育や能力開発機会の提供、人材の配置が実現されてはじめて真の競争力となりえます。逆にHRMにおいて新しいことが始められれば、事業戦略をも変えることができる、という観点でもお話します。

本シリーズでは、いくつかの特徴的な事業・産業モデルを例に挙げ、最新の戦略傾向とそれを支える人材および組織形態、求められるスキルとその教育方法などについて順を追って解説します。

番組詳細

第1回:今、日本企業に必要なHRMとは

初めに、シリーズ全体の流れを紹介し、「戦略的なHRM」とはどういうことなのか、について解説していきます。
まず、今なぜHRMについて学びなおす必要があるのかを確認します。ビジネス環境の著しい変化と比較して、企業の中での人々の働き方にはどの程度変化があったでしょうか。このシリーズでは常にHRMを、企業の戦略と結びつけながら考えていきます。新しいHRMを通じて会社の戦略を作り変える視点を養う、という本コースの目標についても解説があります。
続いて昨今の様々な産業・業界の戦略パターンについてまとめます。と同時に、日本の産業人口の構成、フリーターなどの新しい労働層などについても着目します。これらの関係を今後どのようにとらえていくか、全体の構成についてお話します。
最後に、戦略からみたHRM、HRMからみた戦略という二方向の視点の重要性を確認します。

第2回:リテール型HRM

具体的な事業モデルとHRMの例として、最初に取り上げるのがリテール業です。
まず小売チェーン、外食チェーンや銀行、運輸業など、産業としてのリテール業の特徴をとらえます。分散した現場・オペレーションが、巨大なネットワークの下で労働集約的に稼動するこれらの産業の中で、戦略的なHRMとは何を意味するのか。特に低コストと高品質の両立をキーとする人材育成/人事制度について解説します。
続いてフリーター、パート、アルバイトなど非正社員と言われる人材の市場規模の推移に着目します。特にリテール型産業では、非正社員層の人材活用に、これまで様々な工夫を凝らしてきました。
ジーンズメイトやGAPのユニークな人事制度を取り上げ、業務の標準化やスキルランクの設定など3つ戦略的HRMの要素が提示されます。
最後にリテール型HRMの応用形として、ゲーム感覚で上昇指向を刺激するグローバル・ダイニングの制度を紹介します。

第3回:知的職人型HRM

IT産業だけでなく、金融、小売業、部品産業など様々な業界の事業戦略に「ソリューション」という言葉が登場するようになりました。大量生産でどこにでもあるものを提供するのではなく、顧客側の課題を解決するために、そのニーズにあった形に「カスタムメイド」された「ソリューション」を導き出すことのできる人材を確保するのは容易なことではありません。自分の頭で考えて付加価値をつけることのできる人物をどう育てるか、HRMの観点からそれら人材のチーミング、資源配分をどう行うか、いくつかの企業の実例を基に考察します。
次に年次にこだわらず、人の育成にこだわり続ける組織・企業文化の重要性についても触れます。具体例として、日本オラクルのポジション別社内公募を初めとする特徴的な人事制度、NECの業種別スペシャリスト養成のキャリア・パスなどが登場します。

第4回:クリエイティブ型HRM

大量消費時代が終焉を迎え、目の肥えた消費者が「趣味的生き方」を重要視する時代と言われています。広大なアジア市場を背景にソフト産業・コンテンツ産業が今や10兆円以上の規模にまで成長しました。これら産業で活躍するのがクリエーターと呼ばれる人材です。
しかし実はこれら特定の産業のみならず、クリエイティブな職種というのはどんな企業の中にも見出されるものです。まずクリエーターが最大限の能力を発揮するのはどのような企業・組織文化であるかを考えます。
続いて、クリエーターをマネージする「プロデューサー」機能について解説します。商品・作品をヒットさせ、最終的には利益を得るために全ての権限をもつプロデューサー、この機能の明確化により企業競争力を高めることが、今回のHRMの核になります。
プロデューサーは“育つ”ものとするミスミの例をとり、キャリアパスや評価、権限委譲を実現する人事制度、またノウハウ構築のための手法などに着目します。

第5回:経営者を作る

今回はまず、経営者作りの必要性と経営者に求められる能力について考えます。カンパニー制や持ち株会社制への移行が進む中、経営者の数はこれまで以上に必要とされています。また不確実な経済状況の中での新規事業やグローバル展開の経営判断など、経営者の質が問われる時代でもあります。経営者が持つべき能力とは何か。経営者としての「思い」に代表される基本要件、経営ツールやソフト能力といったカテゴリー別に、詳しく解説します。具体例としてGEリーダーシップの研修を取り上げます。
後半は、特に経営者に求められるソフト能力、中でも大局的な判断力や議論する力、リスクマネジメント力をいかに身につけるかについて考察します。まとめとして、経営者に求められる能力の全体像を明確にし、その能力をもつ人材を「より多く、より早く」作れる仕組み構築の重要性について触れます。企業の経営者にとって、そもそも持っているべきもの、教えられるもの、自ら学ぶべきものとは何か、経営者作りのポイントを学びます。

第6回:まとめ

最終回となる今回は、これまで5回にわたって行ってきた戦略的HRMの総まとめです。これまでに行ってきたことについて補足を加えながら振り返り、この講義で身に付けた考え方をさらに強力なものにするためには、今後どのようなことを意識し、進めていくべきかについて提案を行います。
まとめとして、リテール型をアメリカン・フットボール選手、知的職人型をジャズ・ミュージシャンとしてとらえるなど興味深いアナロジーも登場します。そして、本コースの提言である
・ 戦略→HRM(戦略が先にあり、これに基づく人材をつくる)
・ HRM→戦略(人材をうまく活用する方法がある。この独特な方法から独特な戦略が生まれる)
という二方向のとらえ方を再確認して結論とします。

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【PDU対象コース】大前研一×ダニエル・ピンク 人材の「やる気!」をいかに引き出すか 大前研一 11,000円全1回
受講料(税込)
16,500

講義時間:6時間

受講期間:12か月

講師紹介

御立 尚資

みたち たかし

ボストン・コンサルティング・グループ 日本代表
京都大学文学部卒。ハーバード大学経営学修士(MBA with High Distinction)。日本航空株式会社を経て現在に至る。消費財・流通、及び金融・情報通信・ホテル等サービス業界を中心に、事業戦略、ブランド戦略、バリューマネジメント等のプロジェクトを数多く手掛けている。BCG Worldwide Consumer、Financial Services Practice Group(コンシューマービジネス、及び、金融分野に関するエキスパートグループ)のコアメンバー。